空間のリズム〜自然界の循環と「質」
地球には一日があって、昼があって夜があります。さらに一月があり一年が…という風に、宇宙には一定のリズムがあります。
また、一年の中には四季があって、春に花が咲き夏には虫が活動し、秋には果実がなり冬には葉が落ちます。人間も生まれてから一年ごとに成長し大人になり歳を取っていく…これらの現象が目に見えて現れるのは、宇宙のリズムに「質」があるからではないだろうか…古代中国の人は、そのように考えたのです。
こうして彼らは、宇宙のリズムの中に「質」を探し始めました。人間をはじめ草花など自然界に存在する万物について、宇宙のリズムの中にある「質」が地球上に形となって現れた…と考え、大自然を分類しました。そして、それぞれの分類について符号をつけたものが十干です。
自然界に現れた形(性)とは
木(もく、き)・火(か、ひ)・土(ど、つち)・金(ごん、きん)・水(すい、みず)であり、これらの形を「五行」としました。
五行には、それぞれにも質の違いがあります。木(木性)であれば、大きな樹木と小さな草木のように、火(火性)であれば大きな太陽と小さな灯火のような質の違いがあり、これらを整理して
木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
甲・乙 | 丙・丁 | 戊・己 | 庚・辛 | 壬・癸 |
という符号にしました。
ちなみに甲(きのえ)は「木の兄」、乙(きのと)は「木の弟」という意味で、それぞれの質の違いをあらわしているのです。
地球上では季節の巡りによって、五行は自然界の事物にさまざな形で現れていますから、この循環を空間のリズムとして捉えたわけです。
時間のリズム〜星の周期と宇宙の循環
また彼らは、木星の周期が十二年であるとの観測から、宇宙の時間は十二で一巡するリズムを持っていると考えました。
実際に、季節が一巡する一年を十二ヶ月に別けてみると、生活するのに非常に都合が良かったため、このリズムにも符号をつけました。これが十二支です。この符号は、誰にでも親しまれて使ってもらえるように、身近にいる動物の名を用いました。
すなわち、宇宙の時間を
子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥
という符号であらわしたのです。
空間リズムと時間のリズム
空間のリズムと時間のリズムである十干と十二支は、毎年、毎月、毎日に回ってくるのです。十干の始まりが甲。十二支の始まりが子。だから甲子が一番最初にやってきます。次が乙丑、その次が丙寅となります。六十番目に癸亥、そして再び甲子に戻ります。全部で六十通りの組み合わせができ、これが六十干支(六十花甲子)という暦になったのです。
これらはすべて宇宙の「気」、すなわち大自然の運行をつかさどる目に見えない力から出ています。季節の巡りによる寒暖、春に花が咲くといった現象をはじめ、大自然の運行は人間の意思や力ではどうすることも出来ず、この宇宙の運行の力である「気」が人間に味方をする状態を「運」というのです。
こうして、空間のリズム、時間のリズムの組み合わせによる「気」と「運」を紐解いていくと、私たちの生命との因果が見いだされる。このようにして、算命占星術が見いだされていったのです。