人生には様々な縁が付き物です。干支の世界にも、この「縁」というものが度々現れます。特に人生の節目において、干支の縁を持つ相手が現れることが良くあります。今回は、この干支の縁について考えてみましょう。
今から60年前は太平洋戦争が始まり、世界中が戦争の渦の中にいました。第2次世界大戦の主役となった人達にも、「干支の縁」が大いに関係しています。
まず、日米戦争の中心的存在であったこの2人の宿命を見てみましょう。
2人は同じ日干支(甲寅)です。日干支は宿命で最も重要な干支で、自分自身を表します。算命学では「同じ世界に同じ宿命はいらない」という考え方があり、これは同じ日干支にも言えることです。つまり、同じ日干支同士は対等であると同時に、もし同じ日干支の相手と同じ土俵に立ったら、どちらかが淘汰されるという決着を見ることになります。
片や日本の総理兼陸軍大臣片や太平洋方面連合軍総司令官という立場、共に父親が軍の高官、そして共に陸軍士官学校をトップクラスで卒業という生粋のエリート軍人、という同じような生い立ちを背負った者同士がぶつかり合ったら、極めて激しい戦いになります。太平洋戦争がかつてない規模の戦争に発展した背景には、このような宿命の縁があったのです。
さらに、当時の各国の指導者達の宿命をあげてみます。
ご覧になってお分かりでしょうか。アメリカのルーズベルト大統領は従生格、イギリスのチャーチル首相は従財格(共に完全格)、対するドイツのヒトラーは従生格破格、イタリアのムッソリーニは従財格破格(共に一点破格)の宿命です。
あの第2次世界大戦は、完全格であるアメリカとイギリスに、一点破格であるドイツとイタリアが挑んだ、言わば完全格連合軍 対 一点破格連合軍の戦争とも言えます。そしてこの器の大きい宿命同士が戦ったため、世界中を巻き込む大戦争へと発展してしまったわけです。
そして、この従生格・従財格ともに財運の宿命です。そのため、この戦争は各国の財運の戦い、すなわち領土拡張競争が根底にあったということになります。それぞれの国が自国の領土を拡張すべく、ぶつかりあったということです。
そして日本の昭和天皇は従生財格一点破格です。昭和天皇ご自身の意思とは別に、日本がこの一点破格連合に引き寄せられるのは、干支の上で自然の理であったのです。
そしてこの2人にも干支の縁があります。
同じ日干支同士であるため対等であると同時に共存できない組み合わせです。
超大国アメリカが、一介のテロリストに対して戦争を始めるということは、通常では考えられないはずです。ところが、同じ日干支同士であるため、対等の土俵に上がってしまうわけです。さらに2人の間には父ブッシュ元大統領の時の湾岸戦争で、これに激しく反発したビンラディンがサウジアラビア政府から追放されたという因縁があります つまり、もしこの2人のどちらかが欠けていたら、あの同時テロもアフガン戦争もなかったか、あるいは別の形に発展していたはずだということです。
そして、先ほどの東条・マッカーサーの例のように、戦いを始めたら、どちらかが淘汰されるという決着を見ることになります。
また、指導者の宿命というものは、その民族を代表する気を備えています。つまり、こういう干支の対立は、アメリカとアラブの対立、あるいはキリスト世界とイスラム世界の対立が根底にあるということです。それぞれの気を代表する形で2つの宿命がぶつかりあったわけです。そのため、こういう対立は単なる個人の盛衰に留まらず、戦後の日本がアメリカに対し経済戦争を挑んだように、別の形・別の人間によって再び繰り返されることになると考えられます。
朱学院副校長 佐藤直樹
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